高反発ドライバーは飛ぶと言われていますが、何故、飛ぶのかという理由を知っている人は少ないかもしれません。高反発だから、フェース面の反発が高いのだろうというイメージはあると思いますが、それ以外にも飛ばすための仕組みを取り入れてます。一般的に市販されているドライバーと何が違うかなどをまとめてみました。
高反発ドライバーが飛ぶ理由
フェース面の反発力が高い(強い)から飛ばせます。トランポリン効果、スプリング効果とも呼ばれてます。フェース面をボールに衝突した瞬間にフェース面が撓んで、撓み戻りが強いとボールが飛ばせますし、跳ね返りが強いから飛ばせます。
高反発 な フェース面
高反発ドライバーはフェース面の反発が高いです。フェース面の反発の高さを数値で表すために反発係数というものがあり、数字が大きい方が反発が強いです。反発が高ければ、フェース面で強いチカラでボールを反発させることができます。一般的なドライバーは、反発係数が 0.83以下です。
0.83 と 0.835 の 違いはたったの 0.005 ですが、反発係数が 0.001 高くなるだけで飛距離が約1ヤード伸びるとされており、0.005 高いということは飛距離が5ヤードは伸びるという計算になります。
反発係数を高める
フェース面の反発係数を高めるには、フェース面を薄くしなければなりません。フェース面を薄くすることを肉薄化という言葉をつかいます。ただし、あまりにも薄くしてしまうとフェース面が割れてしまう恐れもあるのです。一般的に販売されているドライバーの殆どが大量生産となっており、フェース面の反発を高めるために、フェース面を極限にまで肉薄化することが難しいのです。大量生産であるが故に、フェース面の肉厚に多少のバラつきが発生します。大量生産をする工程において、0.83以内ギリギリの数値で生産することは難しいです。多少のバラ付きが発生しても良いように、0.83という数値を下回る、0.825、0.828くらいで生産させれていることが一般的です。
ということは、一般的なドライバーの反発係数は0.83以下であり、0.825前後であると言えます。高反発ドライバーの反発係数は、0.8305となってます。反発係数0.825 と 0.8305 の差は0.055となり、一般的なドライバーよりも強い反発でボールを飛ばすということが判ります。
高反発ドライバーは、フェース面を最大限にまで肉薄化をしており、それこそが高反発ドライバーと呼ばれる最大の理由でもあります。フェース面の反発は高い方が飛ぶということです。
最近のドライバーは反発力を高めている
ルール不適合の高反発ドライバーではない、ルール適合のドライバーも最近ではフェース面の反発力を高めています。この場合、ルール適合モデルなので、ルール適合範囲内でフェース面の反発力を高くしています。フェース面の反発力が高ければ、ボールスピードを速くすることができますし、ヘッドスピードが遅くても平均飛距離アップが望めるからです。
ドライバーの反発係数に関する記事も併せてご覧下さい。
長いシャフトでヘッドスピードが上がる
一般的なドライバーのシャフトの長さは45インチ前後であると言われています。高反発ドライバーは、シャフトの長さが46インチとなっており、従来のドライバーよりも1インチ程度長いシャフトが装着されています。何故、長いシャフトを装着しているのかと言いますと、長いシャフトの方がヘッドスピードが上がるからです。
一般的にはシャフトが1インチ長くなることで、ヘッドスピードが1m/s速くなるとされています。長いシャフトの方が明らかにヘッドスピードが速くなります。
ヘッドスピードが1m/s速くなると約5ヤード飛距離が伸びるとされています。45インチのドライバーで180ヤードくらいしか飛ばないゴルファーが、46インチというシャフトのドライバーを打った場合には、確実に飛距離アップしたことを実感できます。
シャフトの長さはルールで48インチ以内と定められています。ルールで定められる理由としては、シャフトが長ければ長いほど飛ぶからです。
女子プロゴルファーのドライバーが飛ぶ理由
女子プロゴルファーは、アマチュアゴルファーの男性よりも飛びます。ヘッドスピードも、それほど速くないのに飛びます。女子プロゴルファーと力比べをしたら、アマチュアゴルファーの男性の方が勝つでしょう。
ですが、女子プロゴルファーの方がドライバーの飛距離は飛びます。つまり、ドライバーの飛距離というのは腕力で飛ばすわけではないということを物語っているということです。女子プロゴルファーはミート率が良い、効率の良いスイングをしているからとも言われていますが、ドライバーを飛ばす秘訣はそれだけではありません。
女子プロゴルファーが飛ばす秘訣は、シャフトの長いドライバーを使っているからです。
以外にも女子プロゴルファーは、46インチ前後というシャフトの長いドライバーを使っていることが多いです。理由も無く、シャフトを長くするわけがありません。シャフトを長くする理由があるからです。つまり、シャフトが長いドライバーの方が飛ぶからということです。一般的なドライバーのシャフトの長さは45インチ前後となっています。46インチの長さになると長尺ドライバーに分類されるでしょう。
適切なシャフトの撓り
シャフトが長いだけでは意味がありません。シャフトは撓りを活かしてこそ、クラブヘッドを走らせることができます。高反発ドライバーに装着されたシャフトは長いだけではなく、インパクト瞬間にシャフトが撓り戻った、勢いを飛距離に活かすことができる、オリジナルシャフトとなっています。
硬いだけのシャフトは、シャフトの撓りを活かすことができません。逆に柔らか過ぎるシャフトはスイングパワーに負けてしまって、撓り戻りを失ってしまい、スイングのパワーをボールに伝達することが出来ません。
ドライバーというクラブは速く振るだけではなく、如何にシャフトを撓らせて、ヘッドを加速させるかというところがポイントとなってきます。高反発ドライバーは適切な撓り戻りによりヘッドが加速する設計となっています。
ヘッドのたわみ効果
高反発ドライバーは、ヘッドにたわみ効果を持たせています。ヘッドがたわむことで反発力を高める効果を発揮します。フェース面の反発だけではなく、クラブヘッド全体でボールを弾くチカラを強くしています。
高反発ドライバーが飛ぶ理由まとめ
(2) 長いシャフトでヘッドスピードアップ
(3) シャフトの適切な撓り戻りでヘッドが走る
(4) ヘッドのたわみ効果でボールを弾く
合計 : 約15ヤード~20ヤードは飛距離アップができるということになります。適切なスイングができるゴルファーであれば、30ヤード前後の飛距離アップも望めます。ゴルフスイングには個人差がありますので、飛距離アップできる距離には誤差が生じることもあります。