2023/01/14更新
市販されているゴルフドライバーの反発係数と高反発加工事例を考えてみましょう。
高反発とゴルフ規則(ルール)
一般的にゴルフドライバーの高反発加工、COR加工はルール違反になると言われています。たしかに、ゴルフ規則にはスプリング効果規則(SLE規制)のことが記載されています。SLEルールの上限、COR値で0.830以内・CT値257を越えるクラブは正式な競技では使用できないとされています。
反発係数 0.83超えとなる、高反発ドライバーは、SLEルール不適合、非公認となります。
COR値で0.830以内・CT値257を越えるクラブは正式な競技では使用できません。ルール不適合、非公認となります。月例、正式な競技で高反発ドライバーは、使用できません。
市販されているドライバーの反発係数
一般的に市販されているゴルフドライバーの反発係数は、大量生産のために低い反発係数となっていることが殆どです。市販されているゴルフドライバーの反発係数の設定値は、0.810~0.815くらいとなっています。ルールで定められた、反発係数0.830以内となっていますから、問題なく使用できます。ただ、反発係数が低いということは、飛ばないということですし、低反発なドライバーということになります。
考え方を変えると、もともと飛ばないゴルフドライバーを購入して、飛ばないことに問題を抱えてしまっているという表現もできます。
市販されているゴルフドライバーの反発が低いのは、フェース面が肉厚であるからです。ある程度の肉厚にしておくことで、フェース面割れを防ぐことができます。購入したけど、直ぐにフェース面が割れてしまったとなれば、製品にならなくなってしまいます。ですから、ある程度の強度を持たせるために、フェース面を肉厚にしているのです。
SLEルール適合範囲内の反発係数となっており、0.83以内となっています。つまり、反発係数が0.83を下回っています。反発係数を公表しているメーカーは、殆どありませんが、概ね 0.825 前後くらいとなっています
高反発加工すると、どれくらい飛ぶのか?
仮に、手持ちのゴルフドライバーの反発係数が、0.810だった場合を考えてみましょう。
ドライバーのフェース面を研磨して、高反発加工を施したと仮定します。反発係数 0.810 から 0.825 に反発係数を高めた場合、その差は 0.015 となります。
- 高反発加工前 : 0.810
- 加工後 : 0.825
- 約15ヤード飛距離アップ
一般的な考え方としては、反発係数が0.001高くなることで、約1ヤード飛距離アップすることができるとされています。反発係数が、0.015高まれば 飛距離は約15ヤードほど飛ぶということになります。高反発加工を施しているものの、スプリング効果規則(SLE規制)で定められた数値の許容範囲内で加工を施すこともできます。
反発係数が、0.001高くなると、約1ヤード飛距離アップできる。
フェースを研磨しまくって超高反発にすれば、もっと飛ぶ!?
反発係数が高ければ、高いほど飛ばせるという理論なのですが、フェースを研磨し過ぎると、フェース割れが懸念されます。研磨し過ぎて、超高反発にしたものの、一ヶ月でフェースが割れたということになってしまうこともありますので、研磨し過ぎは注意が必要です。
また、超高反発にした場合は、ミート率が著しく高くなることもあります。すると、バックスピン量が増え過ぎてしまって、逆に飛ばなくなってしまうこともあります。ですから、自分のヘッドスピード、スイングパワーに合わせて、高反発加工されることをお勧めします。
ツアー仕様のゴルフドライバーは飛ぶ
ツアー仕様のゴルフドライバーが販売されているのを見かけたことがあります。特にはヘッドのみを販売していることがあります。ツアー仕様というのは、プロゴルファーが実際のツアーで使用するためにチューニングを施したものです。ですから、反発係数もルール範囲内で高くなっており、市販されているゴルフドライバーよりも飛びます。
フェース面を研磨する高反発加工・COR加工
自分が所有しているドライバーの反発係数を高めて、高反発にするという加工があります。フェース面を研磨して肉薄化して、高反発にするという加工です。飛距離不足を感じているゴルファーにとっては、とても有効的な方法です。
単純にフェース面を研磨して肉薄化にすれば良いというわけではありません。現状のフェース面の厚みがどれほどなのかを計測し、どれほど研磨して薄くするかを見極めることから始まります。
一般的にはCOR加工と呼ばれています。
市販されているドライバーのフェース面の反発というのは、ルール規定内におさまるように生産されており、反発係数0.83以内となっています。ただ、大量生産するうえで、何千本、何万本というドライバーの反発係数を0.83以内に保つことは難しく、若干の誤差が発生しても良いように、0.82前後程度で生産されている場合が多くあります。0.82を目標として、誤差が発生したとしても、0.815となったり、0.825となったり、バラつきはあるものの、ルール規定の0.83以内におさめることがで、ルール適合のドライバーとして販売することができるからです。
同じメーカー、同じモデルのドライバーであったとしても、フェース面の反発係数が異なることもしばしばあります。高反発加工は、バラつきが出てもルール規定内におさまるように生産された、反発の低いドライバーの反発を高くするという加工です。言い換えれば、飛ばないドライバーを、飛ぶドライバーにチューニングを施すということになります。
フェース面を研磨するわけですから、もともとフェース面に刻印されていたスコアラインなども消えてしまいます。ですが、フェース面の研磨を終えてから、レーザー加工によりスコアライアンを入れることもできます。反発係数が、0.001 高くなれば飛距離は1ヤードアップするとされています。
最近では、大型ゴルフショップ店でも高反発加工を施すようになってきました。飛ばないゴルファー、飛ばなくなったシニアゴルファーの助けになることは間違いありません。
もともとヘッドスピードが速いゴルファーの場合は、フェース面が割れてしまうことがありますので、高反発加工はヘッドスピードが遅いゴルファー、非力なゴルファーの手助けとなるチューニングです。
一般的に市販されているドライバーのフェース面を研磨して高反発加工して飛距離アップを目指す場合に気をつけなければいけないのは、高反発加工ができないドライバーもあるということに留意する必要性があります。
そもそも、高反発加工とは?
高反発加工、COR加工という言葉を耳にしたことがあるかと思います。さて、どのような加工をするのかご存知ですか? 高反発加工・COR加工というのは、ゴルフドライバーのフェース面を研磨して、肉薄化することです。すると、フェース面の反発が高くなり、飛距離アップができるという加工です。
一般的に市販されているドライバーの殆どの反発係数は、0.83以下となっています。製造上、フェース面の肉厚に誤差が発生してしまうこともあり、SLEルールで定められている反発係数0.83以内におさまるようにするために、最初から反発係数が0.83以下となるように製造します。
高反発加工・COR加工は、フェース面を研磨して、SLEルールで定められている反発係数0.83を超えれるほどの高い反発が得られるように加工することです。
フェース面のスコアライン
フェース面を研磨した後、スコアラインを元通りにするという方法があります。実際の作業としては、レーザーでスコアラインやフェース面に描かれた模様を刻印するという方法があります。スコアラインやフェース面の模様を復元することができれば安心です。フェース面にスコアラインや模様が無くなってしまったら、不思議な雰囲気のドライバーとなってしまいます。
フェース面を研磨してしまうということはスコアラインなども削ってしまいます。ですが、レーザーでスコアラインを刻印することできますので、スコアラインを復元させることが可能です。
フェースを研磨するとスコアラインが消えてしまいますが、レーザー彫刻で復元することができます。
フェース面を研磨して、肉薄化する加工です。そうすることで、フェース面の反発係数が高くなります。
フェース面の強度
COR加工、高反発加工というのは、フェース面を研磨して肉薄化にします。ですから、割れやすくなってしまいます。また、COR加工、高反発加工を施すときには、そのゴルファーのヘッドスピードに併せて、フェース面を研磨していきます。例えば、ヘッドスピードが38m/sのゴルファーのために、フェース面を研磨した高反発ドライバーをヘッドスピードが45m/sのゴルファーが打つと、フェース面が割れてしまう可能性があります。
注意点としては、自分のヘッドスピードに併せてフェース面を研磨している場合は、他の人にドライバーを貸したりしないということです。フェース面が割れてしまうことがあります。
COR加工、高反発加工は、低反発なドライバーを飛ぶ高反発へとチューニングしてくれる、技術です。ですが、良く考えて加工をしなければ、大切なドライバーが台無しになってしまいますので、注意が必要です。
フェースを研磨して肉薄化しますので、ヘッドスピードが速いゴルファーが使用すると、フェースが割れてしまうことがありますので、注意が必要です。ちなみに、高反発加工したドライバーがフェース割れしても、保証は効きません。
中古ドライバーを高反発加工する
中古ドライバーというのは、既に使用済みであるということです。そのドライバーで何発ボールを打ったのかは判断できませんが、中古ドライバーはフェース面が磨耗してしまっており、既に劣化している場合があります。その様な場合は、フェース面を研磨することが難しくなります。磨耗して、劣化しているようなフェース面を研磨しようとするだけで、フェース面が割れてしまうこともあるからです。
今現在、使用しているドライバーを高反発加工にすることもできますが、できれば新品で購入したドライバーを高反発加工された方が賢明です。
中古ドライバーのフェース面は、目に見えませんが、劣化していることが多いです。傷が入っていたりすることもありますので、フェース研磨をすると割れてしまうこともあります。
ソール側にスリット(溝)が入っているドライバーを高反発加工する
最近のドライバーは、ボール初速を速くするためとスイートエリアを拡大するために、ソール側にスリット(溝)を設けているモデルがあります。その様なドライバーの場合は、フェース面を研磨できないことがあります。フェース面を研磨すると、スリット(溝)に向かって亀裂が入ってしまうことがあるからです。
もちろん、ソール側にスリット(溝)が入っていてもフェース面を研磨して高反発加工ができるドライバーもあります。その、ドライバーの形状、構造、デザインによって左右されることがありますので、専門ショップで判断してもらうことが賢明です。
ヘッド形状、フェース形状によって、高反発加工できない場合もある。
高発加工、COR加工の費用
今現在、使用しているドライバーのフェース面を研磨して高反発加工にするには、30,000円~40,000円程必要となります。新品のドライバーを購入したのであれば、ドライバー購入費用と高反発加工費用が必要となります。
- フェース面研磨:約30,000円~
- スコアライン復元:約7,000円
- フェース面塗装:約7,000円
※高反発加工費用は、ゴルフ工房によって異なります。上述した費用は、目安として参考にしてください。
フェース面を研磨すると重量が軽くなる
また、フェース面を研磨するということは、フェース面を削るわけですから、ヘッド重量が軽くなってしまいます。そのために、重量調整をする必要もあります。たったの数グラムですが、スイングウェイト(バランス)が変わってきます。重量調整(バランス調整)もすると、さらに数千円のコストが必要となります。
コスト面を考えると、最初から飛ぶドライバー、高反発ドライバーを購入した方が、出費を抑えることができます。フェース面の高反発、長いシャフトでヘッドスピードアップ、慣性モーメントが高い という飛ばすための要素を取り入れた、高反発ドライバーがオススメです。
ネット介して高反発加工を依頼する
最近、ネットを介して高反発加工依頼ができます。加工できる業者さんは、幾つかありますが、その中でも信頼できて、それなりにコスパ良いところを紹介します。
COR加工、高反発加工した後の打音
やはり打音でしょう。COR加工、高反発加工というのはフェース面を研磨して、薄くしますから、高反発になります。ですが、打音はとても大きな金属音となってしまうことがあります。ゴルフ練習場では、大きな金属音が目立ってしまい、恥ずかしさを覚える事もあるほどです。
最近は、ゴルフクラブのチューニング技術は進化しており、フェース面を研磨しても、ヘッド内部に発泡剤を注入して、消音効果を得ることができるようになりました。フェース面を研磨して、甲高くて大きな金属音を消音することができます。発泡剤を注入すると、甲高い金属音が低い音となります。ですが、それが特徴のある音なので、好き嫌いが分かれるところです。
COR加工、高反発加工を施すと、打音が甲高い大きな金属音になりますが、発泡剤を注入して消音することができます。
フェースを研磨して、肉薄化すると、打音がとても甲高い金属音になることがあります。ヘッド内部に消音材を注入して、対応することができます。